ほろ苦い思い出・10年前のピティナステップ
早いもので2022年も残りわずかですね。
ちょうど10年前の2012年冬、この時参加した「ピティナのステップ(下記注参照。)で、ちょっと切ない思い出があります。あれからもう10年過ぎたのかと最近妙に懐かしく思い出すので、今回はそのお話を。。。
(ピティナのステップとは、、子供から大人まで、演奏時間に応じた参加費を払えば誰でも参加できるピアノのステージ演奏の場で、年中、全国各地で毎週末のように開催されています。コンクールではありませんが、全ての会場ごとに「アドバイザー」の先生がいらっしゃり、希望者には4段階の評価と講評を付けてもらえるというシステムです。 再開当初、当時習っていた教室では発表会が毎年は開催されておらず、今のように弾き合い会やピアノサークルもなかったので、人前演奏の練習としてステップによく参加していました。)
あの時のステップは、ピアノ再開から約3年目、通算7回目の参加でした。曲目はショパン・ノクターン1番(Op9-1)。このノクターンは、2011年の年末から譜読みを開始して1年近くかけて弾き込んだ曲。いわば、2012年は「ノクターン1番」の年だったと言っても過言ではありません。
この年、既にもう2回もステップに参加してこの曲を演奏。初演奏の時は1ページ目の11連符〜22連符で見事にすっ転び、立ち往生して弾き直しする散々な結果でした。2回目は何とか大事故なく弾き切れたものの、イマイチ納得できない演奏だったので、「3度目の正直?」という意気込みで、この年最後の弾き納めとして参加しました。
あわよくば、今までのステップで頂いた講評よりも更に上位の評価がほしい、という欲も沸き、このステップに向けて相当練習しました。自宅には電子ピアノしかないので、普段以上にピアノスタジオを頻繁に借りて出費もかさんだこと。。。
いよいよ当日、満を持して演奏しました。自分の中では今までで一番ノーミスに近いノクターン。これは良い評価をいただけるかなと期待したのですが・・・。
結果は、期待とはかけ離れたものでした。
いただいた講評のほんの一部になりますが「ゆったりと歌うような弾き方が足りない」という趣旨のご指摘がありました。
当時、私はピアノに対する気合が半端なく、練習記録やステージ演奏の振り返りを綴った「ピアノノート」なるものを書いてまして、当時のノートを読み返すと・・・
<2012年冬の「ピアノノート」より抜粋>
今回、相当頑張って練習してノーミスに近い演奏だったのに何か違う・・・。
「聴かせる演奏」ってなんだろう。具体的にどうしたらいいのか、まだよく分からないけど、「頑張って止まらずに最後まで弾き通す」ことの限界が見えてきた気がする。
1年近くも弾き込んだけど、何かが足りないみたい。自分でも聴いててなんか疲れる音。
なんか、疲れた。。。もっとピアノを楽しめたらいいのに・・・。
・・・哀しい(T - T)
この時、一生懸命指が動くような練習をしてみたり、色々試行錯誤していた割には上達の実感に乏しく、きれいな音を出したいのに具体的にどうしたらそんな音が出せるのかも分からず迷走していた時期でした。ショパンのノクターンを素敵に弾きたいのに弾けなかった、そんなほろ苦い思い出です。
それから10年後、色々なご縁のおかげでピアノを続けられ、あの時出せなかった音色がどうしたら出せるようになるか、具体的な方法を教えてもらえることができ、まだまだ道半ばですが今はあの時よりピアノが楽しいと思えることは本当に幸運だと思います。
それにしても、当時の自分、ずいぶん真面目に「ピアノノート」を書いてたものです。
このノートを書いてた当時、まさか10年後の自分がピアノブログなんか始めてネタにされてるなんて知ったら、びっくりしたことでしょうね(^ ^;